タイプフェイスに関する倫理綱領
昭和51年10月15日制定 平成5年11月5日改訂 平成8年11月8日改訂 日本タイポグラフィ協会は、1964年よりタイプフェイス創作者等の権利の正当と、明確な法的保護の確立を求めて活動を行っている。 この倫理綱領は、当協会会員が、創作者等の権利の正当性主張と、法的保護の確立を促進するために制定するものである。 ◆目 的 この倫理綱領は、タイプフェイスに関して情報伝達面と芸術面との性格を充分に考慮しながら、創作者ならびにタイプフェイス権利者の両者の権利保護の確立と、その社会的定着を図り、よってタイプフェイスの創作促進とタイポグラフィの発展に寄与することを目的とする。 ◆倫理綱領 1. 日本タイポグラフィ協会会員(以下会員という)は、タイプフェイスに関して、その権利者の許諾なしに複製、改変、もしくは二次的著作することを、職業倫理に反する権利侵害行為として、行わない。 2. 会員は、会員間であるなしにかかわらず、許諾なくしてなされた、タイプフェイスの複製、改変、もしくは二次的著作によってなされる権利者の権利侵害にあたる行為等を知った時には、できるかぎりの手段・方法をもって、これを阻止し、権利者の保護のために努力する。 3. タイプフェイスを創作した者は、創作物及びその名称、創作者名、完成文字数、創作完成年月などを記録し、公表するよう努力する。 ◆用語定義 この綱領における用語の定義は、次に定めるものとする。 1. タイプフェイス(書体) 記録や表示、印刷などの文字組に使用するため、統一的なコンセプトに基づいて作成された次に示す文字または記号等の一組のデザインをいう。 a. 日本文表記用のひらがな、カタカナ、漢字をセットとしたもの。 通常濁音、半濁音、拗・促音、句読点、記号などの付属物を伴う。 b. 特定の使用目的を持つ一組の仮名(ひらがな、カタカナ)。 c. アルファベット及び記号等。 d. 数字と定式記号、慣用されるシンボル、科学記号等の図形的記号。 e. 縁とり、花飾り、花罫、模様のようなオーナメント。 2. 創作者 タイプフェイスを創作する者。 3. タイプフェイスの権利者 タイプフェイス(著作物)を複製、改変、および二次的著作する権利を有する者。 4. 複 製 光学的、電子的その他いかなる技術的手段、または使用される材料にかかわらず、原作のタイプフェイスを構成する文字、記号などのデザインを複写(変形、アウトライン、シャドウ処理等を含む)することをいう。 5. 改 変 光学的、電子的その他いかなる技術的手段、または使用される材料にかかわらず、原作のタイプフェイスを構成する文字、記号等のデザインを模写、変更することをいう。 6. 二次的著作 光学的、電子的、その他いかなる技術的手段、または使用される材料にかかわらず、原作のタイプフェイスを構成する文字記号等に新たなデザイン処理を施して、ファミリー(ウエイト、形状、修飾)タイプフェイスや、不足文字を制作することをいう。 |
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